2014年に韓国で放送されたドラマ「ミセン」は、同名WEBコミックがヒットし、サラリーマンのバイブルとなった事を受け、ドラマ化されました。
2015年のケーブルテレビ放送大賞を受賞し、社会現象を巻き起こしました。
今回は、「未生~ミセン~」のタイトルの意味と、視聴した感想をまとめています。
ミセン(韓国ドラマ)の意味とは?
未生とは、囲碁用語で「死んでもいないし、生きてもいない石」という意味の言葉です。
囲碁の勝負の中で、必要のなくなった石ではないが、これから必要になるかもわからない状態の石といった状態でしょうか。
この未生の反対語は“完生(ワンセン)”といいます。
囲碁の勝負では、基盤というステージで自分はこう打つという姿勢が重要になってきます。
相手を意識せず、確立した自分の姿勢を見せる事が必要なのです。
ドラマ「未生」には、“どんな困難でも諦めなければ、必ずチャンスは来る”というメッセージが込められています。
人生や社会、会社といったそれぞれのステージを囲碁と重ね合わせ、自分をしっかりと持って生きるという事に焦点が置かれています。
囲碁のプロが社会の処世術を語る場面がありますが、社会では、学歴だけが全てではなく、自分がどのように戦うか、自分はこうだという姿勢が大切なのだと教えてくれます。
ミセンの感想
なんの予備知識もなく見始めましたが、すぐに引き込まれてしまった作品でした。
一人一人のキャラクターが確立していて、突拍子もないキャラクターがいない事と、韓国ドラマにありがちな病気や事故、恋愛といった要素が全くない事がドラマに入り込めた理由のひとつだと思います。
とりわけ学歴には厳しいとされる韓国社会の中で、何の取柄もない主人公が社会人として生きていく事が、どれだけハードルが高い事なのかという事が良く分かりますし、語学堪能な人々の中で、自分が何をしたらいいのか、どうしたら人の役に立てるのかを考え、先を読む事の出来る主人公のような人が、実際の社会では必要とされるのだと感じました。
主人公を取り巻く人々には、仕事に情熱を注ぐ熱血上司、社会の厳しさを教えてくれる先輩、自分の方が出来るはずだと見下してくるライバル、女性が活躍するという事の難しさを感じている者、愛想だけで生きている世渡り上手など、実際に自分の周りに居そうなキャラクターが登場します。
そんな人々の心の動きや葛藤も、見事に表現されていて、それぞれの立場から見える角度が違っている事も、大ヒットとなった要素なのだと思いました。